公園愛護運営会(愛称:公園育み隊)は、身近な公園を自分たちの手で管理・活用するための岡崎独自のパークマネジメント(公園経営)の仕組みです(本誌88号・112号参照)。りたは2016年より岡崎市公園緑地課と共に公園愛護運営会の設立支援に着手し、現在公園愛護運営会は10団体(15公園)まで増えました。それぞれの公園や地域の特性に応じて様々な取組が展開されていますが、担い手の確保やイベントの内容などを手探りで模索している団体も多く、他団体のやり方を知りたいという声が寄せられるようになってきました。
そこで7月26日(水)に、既存の公園愛護運営会が、それぞれが感じている運営上の課題や疑問について、他の団体と意見交換をしながら学ぶ「情報交換会」を開催しました。本会には9団体20名が参加し、3団体から活動報告をしていただいた後、事前に行った各団体の活動状況や課題等に関するアンケート結果をもとに、「どのようにメンバー集めやモチベーション維持をしているか」等について活発に意見交換がなされました。より豊かな公園活用に向けて、大きな熱気と可能性を感じる場となりました。
公園愛護運営会ができること
主に園内の清掃や除草を担う「公園愛護会」は市内に100余りありますが、公園愛護運営会になると、「公園施設の日常点検」や「遊具破損等の不具合の市への連絡及び応急的な対応」等、地域で担う範囲が増える一方で、「花壇・プランター・農園の設置及び管理」や「非営利の地域イベント」等、通常認められていないことも可能になります。
活動実態調査によると、お祭りやマルシェなど「地域交流を促すイベント」や、レクリエーションを組み合わせた清掃活動やプランター菜園・遊具のペンキ塗りなどの「公園管理に関わる機会の創出」、みんなでピクニックやランチなどの「公園活用のきっかけを生むイベント」が積極的に行われており、その結果「地域住民が喜んだり、感謝してくれる」「地域住民の関係性の広がりと深まりが生まれた」「公園への愛着が育まれ、公園が地域住民の居場所になった」という成果が生まれていることがわかりました。
担い手を掘りおこす5つのポイント
情報交換会で共有された「担い手を掘りおこすポイント」を5つに整理しました。
- 女性の力:女性の持つネットワークや実行力をいかんなく発揮してもらうことが重要。
- 普段の活動と地域愛:スポーツイベント等、日ごろの地域活動で培われた人間関係が活かされている。
- 積極的に「頼る」「募る」:お願いすると一肌脱いでくれる人が地域内外に潜在している。
- 自主性の尊重:特に義務化せずに好きな人、気づいた人、やりたい人がやれるよう工夫する。
- 輪番制で役割分担:(④とは逆に)組単位で割振ることで関わってくれる人が格段に増えたというケースも。
参加者アンケートでは、全員が定期的な情報交換会の開催を「希望する」と回答されたことから、りたは今後も公園愛護運営会相互の学びあいの場を設けるとともに、新たな愛護運営会設立に向けた啓発も行ってまいります。