近所にある公園は、みなさんにとって「私(私たち)の居場所」と呼べる身近な場所でしょうか。
どちらかというと公園は、禁止事項が多く「自由に使えない場所」という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。ところが今、岡崎市では公園緑地課とりたがタッグを組み、公園のあり方、使い方を変えていこう!という動きを始めています。
岡崎市は、2011年に改訂した「岡崎市緑の基本計画」の中で「公園運営の新たな仕組みづくりの基本方針」を定めています。この方針では「地域の公園を自分たちの庭として捉え、主体的に活用・維持していく必要があります」と問題提起しています。
実際に国内では、公園の活用を巡って新しい動きが出てきています。例えば、フリーマーケット(千葉市)や落ち葉清掃を兼ねた焼き芋大会(横浜市)、コミュニティ農園(東京都江戸川区)、手持ち花火大会(金沢市)など、地域住民らの「こんなことができたらいいね」が形になってきています。
国内の先進例を手本に、岡崎市内の公園をよりよく活用する可能性を探るべく、針崎東町がモデル地区として選定されました。2016年5月より、地元のみなさんを交えた会議体を発足し、地区内にある3つの公園(春咲れんが公園、春咲さくら公園、春咲の丘公園)を対象とした検討や実践を始めました。
月1回程度の頻度で、地元のみなさん(総代さんら地域役員、公園愛護会関係者、有志の方々ら15名程度)と公園緑地課職員、りた担当者(三矢、藤岡)が集まり、公園の活用方法を話し合ってきました。2018年9月頃を目途に、公園の維持管理と利活用の両方を担う新しい組織「公園愛護運営会」の設立を目指しています。「公園愛護運営会」は、従来の「公園愛護会」が草取りや清掃を担う組織であったのに対して、利活用促進を担う点が異なっています(今後、岡崎市内でも少しずつ増やしていきます)。
こうした議論の一環で、試しに何かやろう!と実現したのが「親子で花火の会(2016/8/27)」です。自宅の前の道路でやっているような花火を、公園に集まってみんなでやろう!という企画です。イベントには78世帯255名が集まる大人気企画となり、今年も8月26日に実施されました(写真①)。この流れに勢いがついたのか、今年は子ども会が中心となり「水遊びの会(7/29)」も開催されました(写真②③④)。自宅の庭ではできない大がかりな遊びを公園で実践する好例といえます。
こうしたイベント的な活用の一方で、公園をお花で彩る市民の活動も始まっています。写真⑤は、ガーデナー養成講座で集まった市民の方々が、春咲の丘公園の園路脇に並べたプランターにて草花を育てていただき、美しい公園の風景が広がってきた様子です。
2017年から始めた新しい動きが、春咲の丘公園にある樹林地の手入れです。写真⑥をみていただくと分かるように、展望台の周辺の緑が茂りすぎて展望できない、といった状況にあります。こうした問題に向けて、緑に関心ある市民のみなさんが集まり、緑地の適切な管理(健康な森づくり)を学習する機会として「春咲の森フォレストキーパー養成講座(全6回)」を開始しました(表紙の写真)。
こうした新しい公園との関わり方、手入れの仕方、活用の仕方を共に考え、実践する活動を、りたとしてさらに力を入れていければと考えています。