市民、市民活動団体、事業者、行政を結び付け、多様な主体の協働を促すことが、りたの役割です。例えば、りたは公共空間(公園、図書館、道路)の計画や運営を巡り、市民と行政の間に建設的な対話の場を設け、協働へとつないでいく取り組みを法人設立当初から進めてきました。りたが対話の場づくりに向けて、プロセスや参加者、話し合いの切り口を適切に設定することにより、その地域ならではの創造的な意見や提案を引き出しています。
公共空間の計画に市民意見が反映され、出来上がった施設の運営においても市民が参加することで、市民に愛される公共空間を育んでいます。
これが実現した記念碑的プロジェクトが、2004年に始まった「康生地区生涯学習拠点施設整備」でのりぶらの計画プロセスでした。「りぶらワークショップ」に建設的な対話の場を生み出したことで、参加者に「自分たちの提案を行政に任せるのではなく、自分たちで実現したい」という意識が生まれ、市民自らりぶらのソフトを提案・実現する「りぶらサポータークラブ(LSC)」の設立につながりました。この市民の公共施設の計画から運営にいたる積極的な参加は、りたが目指してきた「新しい公共」の形を体現しています。これらの経験は、歩道や広場などのりぶらの周辺整備、中心市街地の再生計画にも市民と行政の対話の場を開くきっかけにもなりました。
一連の取り組みは「施設設計をテーマに市民と行政、専門家(建築設計士ら)と対話の場を開き、一致点を導く”合意形成”」「施設運営に向けて市民自らが活動をお越し、グループを組織する”主体形成”」「公共施設や歩道、広場、まちづくりをきっかけとして多様な主体を巻き込み、新たな連携を生み出す”協働促進”」など、りたの専門性が存分に発揮されたプロジェクトでした。こうした取り組みが前例となり、市内の公共施設・空間の計画や運営に市民参加の手法が用いられるようになりました。
Interview!
りぶらWSでは市民と行政が話し合う場で、専門知識の無い私たちに建築の意図をわかりやすく解説してくれたり、年代や立場の異なる参加者の要望を細やかにまとめたりしてくれました。WS終了後も、市民や民間の団体が多く関わる「りぶらまつり実行委員会」の運営・仕組み作りへのサポートもありがたかったです。
りぶらワークショップ(WS)に参加し、りぶら関連の活動に積極的に携わる。託児グループ「りぶらっこ☆ふぁみりー」でも活躍。
りぶらサポータークラブ初代代表(現メンバー) 山田 美代子さん