地域には、歴史や文化、自然環境、暮らしなど、その場所ならではの資源があります。しかし、そこに住み慣れた人々にとってそれは当たり前の存在となり、その意味や価値を見過ごしてしまうことがよくあります。そこでりたは、地域の皆さんと共に地域資源を改めて探すところから始めます。その過程を通じて、地域資源を活かす仲間も掘り起こします。そうした思いを持った方々と共に地域資源を活かす(魅力を伝える、活用する)ことで、誇りや愛着を持ってまちに関わる人を増やしています。
本来、市民が自由に使えるはずの公共空間は、「みんなの場所」であるがゆえに、互いに迷惑がかからないように、あるいは安全を守るために、といった理由から制約が増えていき、かえって使いづらくなってしまったり、使われなくなってしまうことが多々あります。
りたが事務局を務めた「おとがワ!ンダーランド」では、公的な大規模イベント以外では使われなくなってしまっていた乙川河川敷を大切な資源として捉えなおし、市民団体や事業者に働きかけて、いろいろな使い方を試行錯誤。水辺活用の専門家とも連携し、一元化されていなかった様々な規制やルールの整理を進めると同時に、乙川ならではの使い方を模索してきました。今では市民自ら使いこなし、新しい過ごし方や楽しみ方を生み出したり、上流とのつながりから川の価値を見直し、魅力を高める活動が広がってきています。
そのほか、「あたりまえ」の風景の大切さに着目し、市民から推薦人を募っておすすめの景観を選定した「岡崎百景」の企画・運営、市民がより主体的に公園の活用・管理を担う「公園愛護運営会」の仕組みづくりや、地域の歴史や魅力を地域住民が紹介する記念誌「岡崎まちものがたり」の編集支援を行いました。
こうした活動を通じて、特別な催しや仕掛けがなくても、市民自らが日常的な暮らしの中で地域資源を磨き、楽しみ、そうした光景自体がその場所の魅力になっていくことを目指しています。
Interview!
おとがワ!ンダーランドの準備段階の頃から上下流で連携をして一体的に盛り上げていきたいとお声がけいただき、額田産の丸太をキャンプ用に納めたり、イベントで薪割体験やドラム缶風呂をしました。 市内各地で様々なまちづくりが進む中で、今後さらに地元の木を使うことの意義を発信し、まちなかに木のぬくもりがあふれた空間が増えていくことを期待しています。
乙川の上流部・額田地区において、地域に根差した豊かな森づくりに携わる。おとがワ!ンダーランドでは、乙川を介した森とまちをつなぐプログラムに参加。
一般社団法人「奏林舎」代表理事 唐澤晋平さん