人口縮小や超高齢化社会の到来により地域課題は益々深刻かつ複雑化しています。一方で、地域コミュニティの衰退など地域の課題解決力が下がっている現実もあります。これからは、地域住民が主体となり、ボランティアやNPO、事業者や行政とも協働して地域の課題解決を進める、新しい発想や方法が重要です。
りたは、こうした多様な主体と協働して進めるまち育てに向けて、進め方やネットワーク形成に関するアドバイスや支援をしています。
岡崎市中心市街地の北側に位置する松本町では、空き家の増加や少子高齢化が進行していました。そこで2011年に町内会、松應寺、りたなどからなる「松應寺横丁活性会議(現・松應寺横丁まちづくり協議会)」を設立し、住民対象のアンケート調査をもとにした「松本町にぎわい基本計画」を策定しました。同年秋には「松應寺横丁にぎわい市」を実施し、2012年には、食事や喫茶を楽しめる地域の新たな交流拠点「松本なかみせ亭」の開設・運営を支援しました。また2013年には、これらの取り組みから派生した「松本町包括ケア会議」を発足。町内会、老人会、民生委員、地域包括支援センターと連携して高齢者の暮らしのニーズの調査を行い、買い物難民化が深刻になっていることを把握しました。以後、外出機会を損なわず、見守りを兼ねた会員制弁当屋の開設、定期的な高齢者の会食会の実施、高齢者の居場所となるサロンの開設など、地域ぐるみの活動の立ち上げや運営を支援しています。
こうした取り組みが評価され、現在、地域包括支援センターと連携し、地域が主体となった高齢者の介護予防や健康増進を支援する取り組みを促進しています。
今後も、りたは丁寧に地域の資源を掘りおこし、顕在化したニーズや課題に対して地域内外の担い手をつないで、地域課題の解決に必要な力を育む地域支援に注力していきます。
Interview!
「りたは利他」その一言から付き合いが始まり、約十年。助言を基に活動した結果、廃墟に生命が再び吹き込まれ、夜の町は、昼の町に変貌しつつあります。しかし、”昭和レトロ”な街並みという物珍しさから集客があるのも現実です。今後は、家康公創建という寺本来の歴史・由緒を活かしたうえ、地元にさらに密着したまちづくりを期待します。
松應寺境内でりたスタッフに偶然声をかけたことがきっかけとなり、松應寺横丁のプロジェクトが立ち上がった。
松應寺住職 服部善樹さん